海外の日本ポップカルチャー紹介イベントで、現在もっとも多く見ることができるコスプレは初音ミクだろう。初音ミクは、自分がコンピュータ上で作成した曲を歌ってくれるバーチャルアイドル。インターネット上には無数の作者によるミクの歌がアップされている。初音ミクをはじめとするバーチャルアイドルを総称してボーカロイドと呼ぶこともある。 従来のキャラクターとミクが大きく異なる点は、ソフトのパッケージに描かれたミクをある程度自由にデフォルメすることが許されていること。無数の曲がネット上に存在するのと同じように、さまざまなイメージのミクもまた多数存在する。 20世紀的なマスメディアへの大量露出戦略とはまったく異なる形態で世界を席巻した初音ミク。ゆえに、いま世界でもっとも愛されている日本のキャラクターのひとつであるにもかかわらず、知らない人はまったく知らないのが初音ミクの興味深い点だ。 日本が先の見えない長い停滞から脱却するためには、根本的な経済の発想の転換をしなければならないのは目に見えている。従来のキャラクタービジネスとまったく異なる方法論から生まれたバーチャルアイドルは、日本が再び世界に向かっていくための希望の星でもある。